口臭

お口の臭いの気になる方へ

お口の臭い

口の中は種々の細菌の存在、組織の新陳代謝という環境下にあります。ですから無臭ということはありえません。「お口のにおい」と表現した場合には、「……が爽やか」「……が気になる」と良悪いずれにも用いられますが、「口臭」となると明らかに嫌悪感を伴ったものであり、周囲の人が悪臭と感じてしまえば、これはすなわち口臭となります。つまり「口臭」か否かは第三者に決定権があり、お口のにおいと感じる程度のものなのか、不快と感じさせてしまうレベルのものなのかで、天と地ほどの差になってしまうのです。経済的に豊かになった現在、“生活のゆとり”は、より快適なもの・より清潔なものを求めます。

では、口臭と呼ばれるものの原因は何なのでしょうか?

生後間もない赤ちゃんの口のにおいが気になるということはありません。食べ物を口にするようになってから口の臭いは生じるのです。しかし、食べ物による臭いは一時的なものであり、ニンニク・アルコールなどの消化吸収された後でも比較的長く血液中に残るものであったとしても、せいぜい半日から1日程度で消えてしまいます。また、鼻や喉の病気・胃腸の病気・肝臓病や糖尿病などの結果として臭いが生じる場合もありますが、そういった器質的疾患が無く健康に生活している人では考える必要は無いでしょう。口臭がしているというのは、主に口の中の汚れや口の渇き (喉の渇きではないです) が原因なのです。

口の中の汚れとはプラーク (歯垢) に代表されます。プラークとは、言ってみれば細菌の塊で、それ自体悪臭を発します。また、プラークの除去 (プラーク・コントロール) が適切になされていないと、虫歯や歯周病といった疾患が発症してしまい、虫歯で溶けてしまった歯や、歯周病で腫れてしまった歯茎は細菌の代謝産物とあいまって、より一層の悪臭となります。口臭はこれらが原因となっていることが多いのです。

「胃腸の調子が悪いから口臭がしてしまっているんだ」とあきらめてしまっている方が、あなたのそばにはいませんか?

虫歯や歯周病をしっかりと治し、またその原因となるプラークを適切にコントロールしていくことで口臭を解決できるのかもしれません。まずは診査を受けてみませんか?虫歯や歯周病が原因であったなら、「口臭」を過度に恐れる必要はありません。解決できるのです。

会話の最中に、ふと嫌な臭いがしたとしたら、その臭いの原因が相手の口にあるとしたら、それに気づいた方も気づかれた方もなんとなく気まずくなってしまいます。 かつてワーナー・ランバート社 (ガムや飴などのメーカー) の行った調査によると、「彼女 (彼) の口臭」に対して「黙っている」が男性で42%、女性で50%を占めていたそうです。近しい人でも指摘しづらいものです。気になる方はご相談ください。社会人のエチケットとして一緒に管理していきましょう。