歯石除去
歯のクリーニング (歯石除去) は歯槽膿漏 (歯周病) を予防するのに最も効果があります。単に歯に付いた歯石を取るだけではなく、歯肉を治しながら歯槽膿漏を予防します。
歯石とは?
歯石は、歯に付いた汚れ (プラーク) が固まってできるもので、簡単に言えば細菌の塊です。 歯石には2種類あります。
1つめは、見える所にこびりついているものです。これは、超音波の機械を用いて容易に除去できます。
2つめは、目に見えない歯と歯肉の溝 (ポケット) の中に沈着してしまったものです。
実際に骨を溶かしたり、悪さをするのは2つめの方で、超音波の機械では除去できません。
歯石はとらなくちゃいけないの?
見えるところについている歯石は、周りにプラークの付着を助長しますし、口臭の原因にもなります。これを取ることもエチケットといえるでしょう。ポケットの中の歯石を除去するのは単に歯石を取るだけでなく、歯根周囲の病原性物質を除去して歯の健康に害のない環境を作ることが目的となります。
なぜ、X線検査や、歯と歯肉の間の溝の測定検査が必要なの?
歯槽膿漏の予防には目に見える表面的な汚れや歯石を取るのではなく、ポケットの中にある歯石を取ることが重要です。そのためにX線検査やポケット測定検査を行い、「どこ」に「どの位」の歯石が付いているかを調べます。
一般的な場合 (ポケットが4ミリ未満)
なぜ、会社の検診や他医院では10〜15分くらいで終わったのに、堤歯科では回数がかかるの?
時間をかけて歯に付いてしまった歯石は何層にもなっていて、とても硬くて1回では全てを取り切れません。 一度歯石を取った場所に、きちんと歯ブラシを当てることにより歯肉が引き締まり、さらに深い場所の歯石を取ることが出来るようになります (器具が奥まで行き届くから) 。堤歯科では極力機械を使わず、手用器具を使い手作業で丹念に歯石を取っています。
専門科による歯石除去と患者さんの徹底したブラッシングを繰り返すことにより、歯肉の状態を改善しながら進めます。必要があれば、ブラッシング指導を行う場合がありますので、歯石除去の期間中は常に歯ブラシをお持ちください。
1回の予約で時間を長く作るから、短期間で出来ないの?
もし1回で深いところの歯石を全て取ろうとすると、患者さんは口の中が血だらけになり痛い思いをしてしまいますし、何よりも歯石を取り残す恐れがあります。「知覚過敏」や「歯肉退縮」を招くこともあります。退縮してしまった歯肉は元には戻りません。米国では歯周病専門のベテラン衛生士でさえ、確実に歯石を取ることが出来るのは1時間で2本の歯までと言われています。
以上のことにより、一般的な歯石除去は30分/週×6〜8回 (約2ヶ月) 位の回数が必要になります。
歯槽膿漏が中程度以上の場合 (ポケットが4ミリ以上)
なぜ、歯槽膿漏の手術は必要なの
ポケット測定やX線診査の結果、極端に深いところの歯石は目で確認することが出来ず、通常の器具では取りきれません。このような状態が続くと歯は骨の支えを失って抜け落ちてしまいます。そうならないように歯を救う目的で歯石を全て取りきるために歯槽膿漏の手術が必要になります。多くの場合、歯槽膿漏は初期〜中等度までは症状 (痛みや腫れ) が出ないまま進行してしまいます。症状が出てくるまで治療をしないと手遅れになる場合があります。半年に一度の定期検診をお勧めします。